佐々木敏光俳句集 発売中
句集・表紙 |
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佐々木敏光句集 『富士・まぼろしの鷹』
第一部
「富士百四十句」(新作)
第二部
「まぼろしの鷹」(未刊句集)+補遺(四句)
元 「鷹」(藤田湘子主宰)同人 富士宮市在住
静岡新聞の天声人語にあたる「大自在」に『富士・まぼろしの鷹』を薦める文がある。
現在、静岡市セノバ「丸善・ジュンク堂」、富士宮市北高側
「谷島屋富士宮支店」には『富士・まぼろしの鷹』が若干おいてあります。
邑書林(ゆうしょりん)より発売
定価 本体千六百円(税込千六百八十円)
ISBN978-4-89709-705-3 C0092
《富士山麓を終の住処と定めた著者の俳句集》
「富士百四十句」抄
牛たちは富士を仰がず春の風
春夕べ海月のごとく富士浮かぶ
富士五合目アサギマダラようこそようこそ
万緑は富士山頂を攻めきれず
日本最高峰富士山剣ケ峰
炎天へ刃するどく剣ケ峰
富士山を洗濯したる野分かな
縄とびや富士いま入るまた入る
破魔矢もていつしか富士をさしてゐる
異国よりきて滑落死富士は富士
「まぼろしの鷹」抄
まぼろしの鷹か凍湖の宙に消ゆ
牡蠣殻の山をこえきて牡蠣を食ふ
自転車に春の空気を入れてみる
凧あがる無人島とぞ思ひしが
チユーリツプ地底明るくなりをるか
鶏鳴のやぶれかぶれや梅雨深し
用なくてのぼる踏台秋の暮
裏道が好き裏道の菊畑
山女美(は)しきよらの塩をふりて焼く
四方に鳴きどこにもゐないうぐひすよ
虫の音へ裏階段をおりてゆく
鷹の目の中の青空限りなし
☆
立ち上がり尺取虫となりにけり (読売新聞朝刊、長谷川櫂「四季」2012.7.17.)
鶏舎なる首六百の暑さかな (清水哲男「新・増殖する俳句歳時記」2012.7.23.)
秋風や屋上にある潦(にはたづみ) (裏「週刊俳句」 相子智恵「月曜日の一句」2012.8.20.)
親も子も戦争知らずカンナ燃ゆ (静岡新聞朝刊 「大自在」2012.9.16.)
胸底のさびしき鬼へ豆をまく (静岡新聞朝刊、上杉省和「節分随想」 2013.2.4.)
自転車に春の空気を入れてみる (同上)
稜線にキスして富士の初日かな (裏「週刊俳句」 関悦史「水曜日の一句」2013.6.5.)
山葵田の水をうましと飲みたるよ(『地名俳句歳時記 5 東海』中央公論社 1987)
登呂といふ昔田圃の水すまし (同上)
羽衣の松の海より黒揚羽 (『角川版ふるさと大歳時記3 甲信・東海』角川書店 1993)
フランスの闇フランスの螢追ふ (『角川版ふるさと大歳時記別巻 世界大歳時記』角川書店 1995)
☆
流れゆく薄つと立つ河童淵 (『季語別鷹俳句集』ふらんす堂、2014年「鷹創刊五十周年記念」)
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