ヴィヨンの生きた15世紀のフランス文学を、翻訳を中心に紹介します。
まず、 かつてはヴィヨン作と称せられていたこともある『バニョレの義勇射手兵』 の翻訳を掲載します。当時は、いわゆるファルス(笑劇)など「フランス中世演劇」の最盛期で、『バニョレの義勇射手兵』は、「独白劇」(一人芝居・喜劇 )の代表作となっています。
「フランス中世演劇」はもっと紹介されてよいジャンルです。ファルス(笑劇)の代表作、『ピエール・パトラン先生』 は渡辺一夫訳により岩波文庫で紹介されていますが、他の作品としては同じくファルスの重要な作品である『洗濯桶』のファルスが、狂言に翻案されて、『濯ぎ川』として狂言の題目となっているより他は残念ながら抄訳程度の紹介です。『バニョレの義勇射手兵』は、ぼくの知るところでは抄訳(『フランス中世喜劇入門』重信常喜 紀伊国屋新書)以外はありません。
バニョレの義勇射手兵 (翻訳・全 97.1.1) |
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なお、「死を思え(メメント・モリ)」の叫びが、生のあらゆる局面に、とぎれることなくひびきわたっていた(ホイジンガ)中世末期、ヴィヨンの作品に色濃く影響を与えている『死の舞踏』(ギュヨ・マルシャンの一四八六年刊行の増補版のテキスト)の翻訳の掲載も予定しています。
死の舞踏 (翻訳・準備中) |
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(開設:1997.1.1)